2011年2月17日発売 (光文社新書)


堀明の完全書き下ろし作品。

「問題犬が生まれる本当の原因は飼い主のしつけのせい」、
「犬に知性や道徳はない」、「犬にムダ吠えなんかない」、
といった世間にはびこるイヌにまつわる誤解やカン違いを
ひとつひとつ事実と道理にもとづいて解きほぐしつつ、
豊富なトピックスを通してイヌの内的世界を探究します。

行き過ぎた「しつけ」にNOを突きつけ、
ストレスフリーな“イヌづきあい”を提案。

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★書評 週刊朝日2011年5月20日号
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◇はじめに 

◇第1章 日本の犬はバカだらけ

吠えだしたら止まらない!/特別な嫌悪刺激/遺伝子の玉突き事故

/麻薬のような幸せ化学物質/前代未開の事件/特定の人だけ

を襲うイヌ/咬みつき事故は表沙汰にならない/日本人は流行犬

種に飛びつきやすい/年間8万頭以上がガス室送りに/お犬様

◇第2章 "問題犬″はこうして生み出される

母親に"侵人者″扱いされた子イヌ/「育ち」は生まれる前に始

まる/子イヌの発達心理学/ローレンツの「すり込み」論/イヌ

の精神の柔軟性/なぜドッグランで事故が起きるのか/社会化期

は12週齢で終わらない/父としての役割/なぜ生後45日なのか?

/"子イヌ生産工場″の内幕/頭の形で脳機能がちがう?/ケネル

クラプの新しい動向/つくられる形成不全種

「コラム1】「生まれてすぐ」の子イヌヘのハンドリング

【コラム2】これから大を飼おうと思っている人へ

◇第3章 イヌはヒトに合わせて本能を変えた

大種差はヒトの個人差ぐらい/イヌの個体差は大きい/イヌの本能行動

/危機回避能力が低下したイヌ/人に寄生するインドの野犬たち

◇第4章 「しつけ本」にだまされるな!

ドッグ・トレーナーのバイブル/人は「報酬と罰」で価値観を身

につけるのか/生まれた時は「白紙」か/徹底的行動主義

/心は人間が発明した?/動物それぞれには行動レパートリーがある

/トレーニングーマニュアルのウソ/麻薬探知犬をつくる最高の方法

/夢をこわす予言/イヌの″鏡のような神経″/イヌとチンパ

ンジーの模倣能力/脳の体重比と知能の高さの相関関係/イヌは

道徳心を持っている/見返りを期待しないイヌ/サルのケンカも

止める/人間に対する思いやり行動/イヌの道徳性はなぜ生まれ

たのか?/イヌは人を罰するか?/イヌに罰せられた私の体験/

不公平に対するイヌの感性/行き過ぎた"操作主義"/避妊・去勢

を強制するアメリカ杜会/過大評価も過小評価もしない


◇第5章 "イヌづきあい″がうまくなる方法

第一の教訓――人生の選択/第二の教訓――欲求/第三の教訓

――立場の逆転/第四の教訓――沈黙/第五の教訓――イヌ化

◇あとがきに代えて――日本人には日本人なりのイヌヘの接し方がある

広がるイヌの世界/最低でも8週齢/ペットショップが生き残るには

/日米のイヌ殺処分率の比較/さらば、「しつけ」


◇謝辞

◇参考文献

2011年2月20日初版1刷において以下の箇所に誤りがありました。
大変申し訳ございませんでした。お詫びして訂正します。

【220頁、6行目〜14行目】
 
(誤)
 現在、日本では1300万頭ほど、アメリカでは5000万頭ほどのイヌが飼われていま
す。アメリカの獣医師ベンジャミン・ハートらの2000年代初頭の推計によれば、アメリ
カで殺処分されるイヌは、毎年少なくとも700万頭に達しているということです。200
8年のミルウォーキー市のレスキュー団体の報告では、年間300万〜400万頭が殺処分
され、このうちの半分は、飼い主がシェルターに持ち込んだイヌだ、と記されています。
(中略)
一方、アメリカは、避妊去勢を推進しているにもかかわらず、6〜8%に達しています。



(正)
 現在、日本では1300万頭ほど、アメリカでは7000万頭ほどのイヌが飼われていま
す。カリフォルニア大学獣医学部のベンジャミン・ハートの推計によれば、アメリカで殺処
分されるイヌは、年間少なくとも500万頭いるということです。2008年の米国人道協
会(HSUS)の報告には、毎年300万頭以上の犬猫、同年の『USA TODAY』の
報道では、毎年約700万頭の犬猫がシェルターで殺処分される、と記されています。

(中略)
一方、アメリカは、避妊去勢を推進しているにもかかわらず、5〜8%に達しています。



 

 

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